第3回掛軸と絵画の未来展、会期中の様子

前回のブログに続き、

「第3回掛軸と絵画の未来展」についてのご報告をしてまいります。

今回の会場となる三溪園の鶴翔閣は、

明治~大正期の実業家で美術愛好家としても知られる

原三溪が開園した日本庭園の中にある

横浜市指定有形文化財の建物(普段は非公開!)です。

かつて原三溪が住まいとした建物であり、横山大観や前田青邨など

言わずと知れた近代の日本画家たちが、

名品揃いといわれた三溪の美術コレクションの鑑賞の機会を得、

また滞在して作品の制作を行うなど、

原三溪からの支援を受けた場所でもありました。

今回の未来展の正式名称は、

「『第3回 掛軸と絵画の未来展』美大生×表具師@三溪園 パトロネージュのかたち」

まさに副題にある「パトロネージュ(=芸術支援)」、

美大生応援の趣旨とも重なる会場であるといえます。

迎えた2022年8月12日。

未来展の搬入・設営日。

先述の通り、会場である鶴翔閣は、

横浜市の有形文化財に指定されており、

普段は公開されていない、大変貴重な建物です。

そんな場所に掛軸を飾るため、

表粋会では、今回の掛軸展示用に「壁」を用意しました。

この壁に掛軸を飾るための金具を取り付ければ、

建物内の柱や梁に、穴をあけたり、傷をつけることがありません。

そんな掛軸展示用の壁、表具師が普段扱いなれている、

ふすまの造りを基に制作しました。

そんな「壁」を三溪園鶴翔閣に設営。

まるで元からあるような美しい壁(手前味噌)。

掛軸は桐箱に入った状態で飾り付けの時を待ちます。

いよいよ、掛軸を掛けていきます。

伝統的な和風建築である鶴翔閣と、

未来ある学生による画と、未来を志向した表装の

コラボレーションです。

以上は、今回の未来展の新作掛軸。

奥の和室には、過去の未来展に出展した掛軸を

展示しました。

続いて、会期中に会場に在廊いただいた画家さんに、

作品の前に立っていただき写真を撮らせていただきました。

担当表具師と写っている写真もあります。

会期中に会場にお越しいただいた画家さん全てを

撮影することは出来ませんでした。

申し訳ありません。

在廊のご協力、ありがとうございました。

続いて、会期中のその他の展示などなどです。

エントランス部に特別展示された屏風。

丹精込めて網代編みで仕立てられた作品。

遠くから見て迫力に圧倒され、

近くで見ると、その仕事の細やかさに驚かされます。

表具師が掛軸を仕立てる際に使用する道具や、

材料の展示も行いました。

どれも普段使っているものですが、

こうして並べてみると、

こんなにいろんな種類があったのか、

我々表具師も気づかされます。

三溪園では、未来展の連動企画としまして、

他にもいくつか展示やワークショップが催されました。

三溪園所蔵の巻子(原三溪自筆の書画「観梅会の記」)の修復の様子を

パネル展示した企画。

「顔彩で塗り絵!気分は日本画家」と題した、

日本画で使用する「顔彩」を使用して色付けする、

大人の塗り絵体験ワークショップ。

「瓦の拓本をとって表具しよう!」と

題したワークショップでは、

重要文化財の瓦を拓本に取った後、

色紙に張り、その周囲に裂や友禅紙で装飾を施す、

という表具師体験ができるワークショップも

実施されました。

前回のブログでもご紹介しましたが、

今回の未来展と、過去2回の未来展の図録の販売も致しました。

いずれも在庫がありますので、

ご購入のご希望があればご連絡ください。

未来展に合わせて撮影・制作された動画、

【ニッポンの表具師たち】#1職人と美大生が未来を守る!

も、youtubeにて公開中です。

設営風景、会場の様子、

稲﨑表粋会前代表が「未来展」について語る様子が

収められています。

そんなこんなで、始まってしまえば、

あっという間の9日間でした。

期間中にご来場いただいた2,375名の皆様、

本当にありがとうございました。

残念ながらご来場いただけなかった皆様、

当ブログか図録の方で

掛軸や会場の雰囲気をお感じいただければ幸いです。

最後になりますが、

掛軸文化は、「掛軸を購入して飾りたい」、

という方がいればこそ、

未来へと継承していくことが出来ます。

今回の出展作品も、過去2回の未来展作品も、

販売済のもの以外は購入可能ですので、

もし気になる掛軸がございましたら、

お気軽にお問合せください。

撤収作業はあっという間に終わりました。

静寂を取り戻した鶴翔閣。

次回の未来展の計画は未定ですが、

どうぞ今後の表粋会の活動にご期待ください。

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